1灯用インバータの2灯用化

1灯用のインバータ安定器は,蛍光灯を1本だけでなく2本点灯させることもできます。ここではその方法についてまとめています。逆に2灯用インバータを1灯用化する方法については2灯用インバータの1灯用化をご覧ください。

方法

やり方は至って単純で,2本のランプを直列に接続するだけです。下の画像のような感じです。もちろん本来の使い方ではないので試す場合は自己責任でお願いします。

1枚目画像

実際にやってみた

実際にいろいろなインバータで2本直列点灯させてみました。

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▲FHF16の1灯用インバータ(Panasonic FZ16198945)でFL10+FL10を点灯

3枚目画像

▲FHF63の1灯用インバータ(Panasonic FZ63197940)でFHF16+FHF16を点灯

4枚目画像

▲FHD70の1灯用インバータ(Panasonic HHPFZ4102)でFL20SS/18+FL20SS/18を点灯

5枚目画像

▲FHF86の1灯用インバータ(TOSHIBA FMB-866205)でFHP32+FHP32を点灯

長さや形状が異なるランプ同士でも問題なく点灯できます。

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▲FHF16の1灯用インバータ(Panasonic FZ16198945)でFL4+FL8を点灯

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▲FHF63の1灯用インバータ(Panasonic FZ63197940)でFDL18+FHP32を点灯

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▲FHD70の1灯用インバータ(Panasonic HHPFZ4102)でFL20S+FPL55を点灯

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▲FHF86の1灯用インバータ(TOSHIBA FMB-866205)でFHD40+FHD70を点灯

なお,多くのインバータ(特にPanasonic)は定格の1.5倍以上の負荷がかかると安全装置が作動して停止するようになっています。このため,例えばインバータの定格と同じ長さのランプを2本直列点灯しようとすると,インバータに2倍の負荷がかかり安全装置が作動して消灯してしまいます。そこで,ランプの長さをインバータの定格の半分くらいまで落とします。これにより負荷が下がり,問題なく2本直列点灯できるようになります。

FHF32の1灯用インバータの場合,FHF32の2本直列点灯はできませんが,FHF16(およびそれに相当する長さのFL20やFLR20)までのランプなら問題なく2本直列点灯できます。これを利用すれば,「FHF16の2灯用インバータをFHF32の1灯用インバータで代用する」ということも可能です(ランプの寿命がどうなるかは未知数ですが)。

3灯用化以上も可能

直列接続するランプを増やすことで3灯用化以上も可能です。ただし,本数が増えるほどインバータへの負荷も増すため,2灯用化の時ほど長いランプは点灯できません。

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▲FHD70の1灯用インバータ(Panasonic HHPFZ4102)でFL10+FL30S+FCL30/28を点灯

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▲FHF86の1灯用インバータ(TOSHIBA FMB-866205)でFL20SS/18+FHP23+FL20SS/18を点灯

余談

このページの最初に示した結線図では2本のランプ同士を2本の線で繋いでいますが,実はこの部分は1本だけの接続でも点灯できます。

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▲1ピンだけの接触で点灯する様子(危険なので真似しないでください)

グロー式やラピッド式の銅鉄安定器では?

ここまではインバータ安定器での話でしたが,ではグロー式の銅鉄安定器で2灯用化はできるのかというと,ほとんどの場合点滅を繰り返してしまい点灯できません(電子点灯管でも点灯不可)。定格よりかなり短いランプなら一応点灯できます(例:FCL32の銅鉄安定器でFPL6+FPL6)が,安定器が過熱しやすいのでやはりグロー式銅鉄安定器での2灯用化は避けた方が良さそうです。

ラピッド式銅鉄安定器は手持ちになく試していないため不明です。FLR40の1灯用のラピッド式銅鉄安定器(TOSHIBA FRH-40128A)を入手したので,この安定器での2灯用化も試してみました。以下の組み合わせを試しました。

結論としては,どれも薄暗く光ったり点滅したりするだけで,2本直列点灯はできませんでした。定格よりかなり短いランプならごく稀に点灯することもありましたが,始動性は極めて悪くとても実用的とは言えない状態でした。

2灯用化で安定して点灯できるのはインバータ安定器だけのようです。