ラピッド安定器でいろいろな丸形蛍光灯を点灯

ラピッド式の銅鉄安定器(FLR40の1灯用)でいろいろな丸形蛍光灯の点灯を試してみました。使用した安定器の詳細や直管蛍光灯の点灯については直管編を,コンパクト形蛍光灯の点灯についてはコンパクト形編をご覧ください。

なお,不適合なランプの点灯は本来の使い方ではないので試す場合は自己責任でお願いします。

結果

いきなりですが,結果を以下の表にまとめました。その後,それぞれについて実際の点灯の様子を画像や動画も交えながら記していきます。なお,ランプの始動性や消費電力は電源電圧,電源極性,近接導体の有無,周囲温度,安定器やランプの個体差などによって変化するため,あくまでも自分の環境での実験結果となります(この実験では近接導体は設けていません)。

使用したランプの中には端が黒ずんでいるものがありますが,これは過去にいろいろ遊んでいた時に黒くなってしまったもので,切れているわけではないため別の器具で正常に点灯できることは確認済みです。

点灯可否安定器込消費電力使用したランプ備考
メーカー表記製造表記型番
FCL40/38約45WHITACHIHLKFCL40ELK/38-F始動がもたつく
FCL40/38(パルックプレミアLS)×約8WPanasonicMEFCL40ECW/38LS全体が薄暗く光る
FCL32/30約39WPanasonicMEFCL32EDW/30M
FCL32/30(パルックプレミアLS)約38WPanasonicMEFCL32ECW/30LS始動がもたつく
FCL30/28約33WTOSHIBATSPFCL30EX-D/28
FCL30/28(パルックプレミアLS)約32WPanasonicMEFCL30ENW/28LS
FCL30/28(パルックプレミアS)約32WPanasonicMEFCL30ECW/28SV
FCL20/18約30WNEC▼▲FCL20D/18
FCL15約27WPanasonicMEFCL15ENW
FCL9約24WNationalMEFCL9EX-L
FHC41約61WHotaluX▼▲FHC41EL-LE-SHG始動がややもたつく。やや暗めの点灯でチラつきがかなり目立つ
FHC34約50WTOSHIBATSPFHC34EL-Zやや暗めの点灯でチラつきが目立つ
FHC27約41WNEC▼▲FHC27EN-LE-SHGランプが温まるまで少しチラつく
FHC20約35WHotaluX▼▲FHC20ED-LE-SHG
FHC13約28WNational▼▲FHC13EL
FHD100×約8WNationalMEFHD100ENW全体がごくわずかに光る
FHD85×約9WPanasonicMEFHD85EL/H全体が激しくチラつく
FHD70約58WPanasonicMEFHD70ECW/H始動がややもたつく。暗めの点灯でチラつきがかなり目立つ
FHD40約42WNationalME/TOZFHD40ENW
FHSC93×約8WPanasonicMLFHSC93EL全体がごくわずかに光る
FHSC20×約6WNationalMEFHSC20ENW

FCL40/38の点灯

まずは,安定器の定格と同じ40形であるFCL40/38:HITACHI(HLK)FCL40ELK/38-Fの点灯を試してみました。

始動がもたつきましたが,問題なく点灯しました。

1枚目画像

FCL32/30,FCL30/28,FCL20/18,FCL15の点灯

以下のランプの点灯を試しました。

どれも問題なく点灯しました。ただ,FCL32/30とFCL30/28は(直管の32形や30形がスイッチONと同時に点灯したことを考えると)少し点灯に時間がかかった印象です。

2枚目画像

FCL30/28(パルックプレミアLS,パルックプレミアS)の点灯

FCL30/28に関してはPanasonicのパルックプレミアLSとパルックプレミアSも持っているので,その点灯も試してみました。インバータ器具で点灯すると通常のFCL30/28より消費電力を約5%削減できることを謳ったランプです。LSとSの違いは定格寿命の長さだけであり,インバータ器具で省エネになる点は同じです。

どちらも問題なく点灯しました。

3枚目画像

注目したいのはその消費電力です。通常のFCL30/28では約33Wでしたが,パルックプレミアLSとパルックプレミアSでは約32Wとなりました。たった1Wの差ではありますが,ラピッド安定器でもインバータと同様に消費電力削減の効果があるようです。

4枚目画像

ちなみにインバータ式安定器やグロー式銅鉄安定器での点灯も試したことがありますが,インバータ式では(インバータの個体によってその度合いは異なるものの)消費電力削減の効果があり,一方グロー式では消費電力は変わらないかむしろわずかに増えるという結果でした。

FHC34,FHC27,FHC20,FHC13の点灯

以下のランプの点灯を試しました。

FHC34は点灯しましたが,やや暗めの点灯でチラつきが目立ちました。FHC27とFHC20とFHC13は問題なく点灯しましたが,FHC27はランプが温まるまで少しチラつきました。

5枚目画像

FHD70,FHD40,FHSC93,FHSC20の点灯

以下のランプの点灯を試しました。

FHD70は始動がややもたつくことがあり,暗めの点灯でチラつきがかなり目立ちました。FHD40は問題なく点灯しました。

6枚目画像

FHSC93とFHSC20は点灯しませんでした。ただ,FHSC93は全体がごくわずかに光っており,フィラメントも赤く光っていました。

7枚目画像

FHSC20も,部屋を暗くするとフィラメントがわずかに赤く光っているのが確認できました(部屋を真っ暗にしてようやく分かる程度)。

8枚目画像

(追加)FCL9,FHC41,FHD100,FHD85の点灯

新たにFCL9とFHC41とFHD100とFHD85を入手したので,そのランプの点灯も試してみました。

FCL9は問題なく点灯しました。FHC41も点灯しましたが,始動がややもたつくことがあり,やや暗めの点灯でチラつきがかなり目立ちました。FHD100は全体がごくわずかに光る程度で,FHD85は全体が激しくチラつき,どちらも点灯しませんでした。

9枚目画像

(追加)FCL40/38,FCL32/30(パルックプレミアLS)の点灯

新たにパルックプレミアLSのFCL40/38とFCL32/30を入手したので,そのランプの点灯も試してみました。

FCL40/38は全体が薄暗く光るだけで点灯しませんでした。FCL32/30は点灯しましたが,始動にもたつきがあり,点灯すると安定器から大きな音がしました。パルックプレミアLSやパルックプレミアSはクリプトンガスが使用されている影響で始動性が通常のランプよりやや悪くなっているようです。

10枚目画像

消費電力はFCL32/30の場合で約38Wでした。通常のFCL32/30が約39Wだったので,やはりラピッド安定器においてもパルックプレミアLS(およびパルックプレミアS)の方が消費電力が小さくなるようです。FCL40/38は点灯しなかったため検証できていませんが,点灯した場合は同様に消費電力が小さくなると思われます。

11枚目画像

まとめ

FLR40の1灯用ラピッド安定器で丸形蛍光灯の点灯をいろいろ試した結果,多くのランプは点灯しましたが,FCL管は同じW数の直管(FL/FLR)と比べると点灯に少し時間がかかる傾向があるようです。また,スパイラルパルックは点灯しにくいようです。

パルックプレミアLSやパルックプレミアSのように,封入されているガスの種類によって始動性が変化するのも興味深い結果でした。